6/10-17、NHK『ブラタモリ』で名古屋が特集されました。
名古屋では大変視聴率が良かった様子。
私も一応地元・・ということで楽しく観ることができました。さすが、タモさん!

名古屋の町は「熱田台地」の上に形づくられた・・というコトで、タモさんたちは北西の角・名古屋城と南端の熱田神宮を訪れていましたね。
そこで、自分でも台地を体験しようと北の縁の「一部分」を訪ねてみました。

【徳川美術館・徳川園の「へり」】
JR「大曽根駅」を出て、南へ。
ここ2年刀剣目当てに何度も通っている道・・徳川美術館へむかう道です。

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「徳川美術館南」の交差点に来ました。

写真だとちょっとわかりづらいでしょうか・・ここからゆるやかな登り坂となっています。
以前からこの傾斜がなんとなく気になっていたのですが・・。
ここが、熱田台地の北のヘリです。

国土地理院・東海地方の凸凹 (国土地理院ウェブサイト)
「名古屋北部」が名古屋城~徳川美術館あたり、台地の北です。

徳川美術館・徳川園のある一帯は尾張徳川家二代・光友公の隠居所・・大曽根屋敷の跡です。
後に家臣の屋敷となりましたが、明治期には再び尾張徳川家の邸宅が建てられました。

台地の高低差は、美術館おとなりの庭園・徳川園でも実感できます。

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徳川園・大曽根側の入り口から庭園奥のほうを。

前に広がる池は龍仙湖。右上に見える建物はレストランなどが入った観仙楼。

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池のむこうへ行くと登り坂・階段が。左上に見える橋は虎仙橋といいます。

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観仙楼横の龍門の滝。
あきらかな高低差・・。


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ひとつ前の写真に写っていた虎仙橋から下を見ると…かなり高い。

台地の高低差がよくわかります。
徳川園の最高地点は東側にある大曽根の滝の裏側。
こことヘリの外・・台地の下にある龍仙湖との標高差は11mもあるそうです。

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この虎仙橋と同じ標高にあるのが徳川美術館です。
高低差に気をつけて歩いてみると、たしかに台地の上にあるということがわかりますね。

大曽根屋敷は、台地の北・・ヘリを取り込んだ立地となっていたことになります。

この段差はこんなところにも。

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徳川園西の板塀。

明治期に作られた登録有形文化財です。
傾斜にあわせて作られているのがわかりますね。

名古屋城の東側は武家屋敷。その東端あたりにあるのが大曽根屋敷。
台地の北を武家屋敷が守っていた形になります。

【おまけ】
「熱田台地」と検索すると、「中央本線で観察できる」と出てきます。
鉄道の線路はあまり高低差ができないよう作られているので、台地を横切ったりする場合、掘割などにして線路を通すそうです。

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中央本線に乗って、高蔵寺・多治見・中津川方面へ。
JR「名古屋駅」の一つ先にある「金山駅」。
ホームはこんな感じ。ここは熱田台地の中。掘割になっていますね・・。
金山総合駅を出てすぐ横に坂道があり、ここで台地が一度終わります。

次の「鶴舞駅」は高架。駅前にある鶴舞公園(つるまこうえん)の奥へ進むと少し高低差が出てきます。
(余談ですが、鶴舞公園の奥・・西側には東海地方最大の円墳・八幡山古墳があります。熱田神宮近くの断夫山古墳同様、やや高い場所・ヘリに作られています)

その次の「千種駅」で再び台地にかかるので、ホームは掘割。外への改札はホームの上になります。

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そして「大曽根駅」。駅は徳川美術館・徳川園の北にありますから、台地を出ているので高架になります。

徳川美術館最寄りの南口はこのように階段を降りた先が改札です。(北口も同様)

中央本線の掘割・高架も謎だったんですが、熱田台地が原因だったんですね。
いろいろな謎が解明できた今回の『ブラタモリ』自主学習・・でした。


徳川美術館に実装刀を観に来られる『ブラタモ』ファン審神者さん、ぜひ徳川園で高低差を体験してみてください・・。